そろそろ確定申告出さないと。3月は忙しそうだし。
もう去年の会計処理は終わってるのであとは
プリントアウトやら書き込みするだけ。
今週中にはやってしまおう。
そして、今日は買ってひさしく積んでいたSF本を読んだ。
ブルース・スターリングの「巣」。(※以下ネタバレ含みます)
人間進化の2つの形として、育種党(遺伝子工学人間)と
工学党(機械工学人間=サイボーグ)の相変わらずの
派閥勢力争いにおいて育種党側の話が主体。
育種党は、デザイナーズチャイルドで
遺伝子操作により生まれながら宇宙生活における
耐性を見つけている人間たちの集まり。
そして、その育種党の人間の好奇心と探求心に投資する
インヴェスター(投資者)という異星人がバックについて
新たな利益を上げる先を探していた。
そのとき、ある惑星調査において閉じた永久機関ともいうべき
生態系を作った異星人たちがいて、その行動形態を利用できれば、
工学党に遅れをとっている鉱山採掘の収益を大幅に増進できると
育種党の科学者であり軍人がインヴェスターたちの投資資金を
元に、本格調査にその惑星に乗り込む。
その惑星の異星人は、まぁ簡単にいえば蟻とか虫のような生態系であり
エイリアンなんだけど、女王がいて働き手がいて守り手がいて
食料作るのがいて一切の無駄がなく、食べ物や死骸は再利用されて
外部からのエネルギー調達などが必要ない閉じた完璧な生態系を育んでいる。
しかし、そこに知性は一切垣間見えず、女王さえもひたすら卵を産んでは
それぞれの生態系の歯車となる虫たちを送り出し、ただ生きているだけだった。
そして、そこに乗り込んだ主人公と、予め事前調査で
送り込まれていた女科学者はそれらの虫の行動がフェロモンによって
制動されていることを突き止めていて、今回の本格調査では
サンプルから独自に合成したフェロモンの試験という趣だった。
これが成功すれば、鉱山採掘の奴隷機械として利用できることになり
出資者であるインヴェスターたちも自分たちも莫大な収益を上げられる。
実験も上手くいきフェロモンにより、敵対生物の排除行動や
食物供給、集合、掘削などの一連のコントロールができるようになって
男と女はその生態系の中で、虫に異物として排除されないよう
安全な生活空間をフェロモンハッキングして作るまでになっていた。
しかし、その頃これまでとは見たことのない新たな虫が
生まれていたことに女科学者のほうが気づき好奇心から調査へ出る。
主人公の男は、また別の惑星から迷い込んできた
新しい寄生種だろうといって放置していた。
この惑星では、外からの寄生種も迎え入れ
その生態系に組み込まれていることがままあった。
何日しても女が戻らず、おかしいと思った男はハッキングした
虫たちに女のところまで案内させる。暗い坑道を抜けていざその場所へ
付いてみると、全体が脳みそのような形をした虫が触手で女の頭を貫いて
男の訪問を待ちわびていた。
その虫が女の唇を操り男に告げるには、スウォームという名で
自らが知生体であるという。男はその状態に圧倒されながらも、
知生体が存在しない生態系において、最初におまえに話を通せればよかったと語る。
女のことは尊い犠牲であり今回の調査で自分の授かる利益のほうが女より大事だった。
スウォームはさらにいう。
偽造されたフェロモンによる、生態系への影響が
起こったことを女王が感知し、私を産み落とした。
卵の周りに残されたこれまでの状況の経緯を示す情報を読み解き
誕生6日目にはこの状態になっていたという。
そして、自分が何をすべきかを理解した、と。
今後、私のような存在が産み落とされないとよいですが、と。
男はそれでも何とかスウォームと話をして生態系の根幹となる
遺伝情報を得られないかと折衝してみるがスウォームはいう。
それは確かにいいアイデアだ、私たちがすでに実行してきたことだから、と。
あなたたち人間は好奇心や知性というものを絶対視しすぎている。
知は力、ある一定のところまでそうでしょう。
しかし生命と知性は互いに折り合いの悪いものです。
いずれあなたたちも1000年もしない内に自らの
そのどこまでも拡大する好奇心が無限に満たされると思って
自ら滅びへの道へと辿るでしょう。
あなたたちが生まれる以前にも、銀河を席巻した存在が
同様に私たちから略奪しようとしました。
そのとき私たちは、略奪者の同族を産みだし強力な遺伝子改造した
身体を提供し互いに滅ぼしあっていただきました、と。
男は狩るものから狩られるものに立場が逆転していることを知る。
スウォームを敵と認知し、人間はこれまでの生物たちとは違うと主張する。
スウォームも一定の理解を示し人類種の知の進化は目を見張るものがあったと。
しかし、その知性はともかくその脆い身体では宇宙を生きていけないだろう、と。
私たちの生態系に入りませんか?とスウォームからのオファー。
私たちは、協力してくれるものに不死性を与えることを惜しみません、と。
男は当然それには迎合せず、おまえらと争ってやると挑戦状をたたきつける。
スウォームはいう。いいでしょう、1000年の後生き残っているあなたたちの種は
この女1人だけになることでしょう ───
そんな感じの話。
細かいところちょっと間違いがあるかもしれないけど。
こっちは蝉の女王より分かりやすかったな。
知が生命進化と衝突する要素である、というのはたまーに
聞くテーマだったりするけどそれがこんな短編でよく表現されているというか。
知を道具と割り切って、必要なときだけ振りかざすという
この生態系の先進性は新しい見地だったな。
押井守のイノセンスでも人間のように意志する生物より、
意志しない動物のほうが無垢であるみたいなテーマがあったけど。
この手のエイリアン的な宇宙人ってちょっと嘘くさすぎて
SFとしてほとんど読まない嫌いなジャンルだったけど、ちょっと考え方が変った。
もしかして、マトリックスやマクロスFのエイリアンとかも、
この作品踏まえてたつもりなのかすら。
SFでも、こういう哲学性提示してくれるSFが好きだなやっぱり。



