カンディードを図書館で借りて来たので読んでいた。
メインのカンディードの前に短編がいくつかあり
その内「ミクロメガス」と「この世は成り行き任せ」を読んだ。
人の愚かさも多様性の一部として
認めようとする視点が,無理なく描かれていた。
しかも,実に分かり易くシンプルな寓話形式で。
昔の本て大概読み難いのに,これは読み易い。
良い本だな,これ。
感想ポスト分断したくないので、読点か全角カンマの話は削除。
上の続きで、3つ目の短編「ザンディードまたは運命」を読んだ。
普通に面白い。訳がいいのか、サクサク読める。
あらすじは、主人公が出来すぎ君なあまりに、
周りの出世欲や名誉を欲する人間に敵視され、妬まれ、嵌められ
その功徳で名誉ある立場を得たときには、すでに裏で陰謀が行われ
結果得たものを失ってしまう、という展開が繰り返される話。
しかし、最後の最後にはバビロンの王に上り詰めてハッピーエンド。
語られてたキーは、運命。
後半、天使が隠者に姿を変えて、この主人公に運命の決定論を説く。
そして、天の導きを疑うことなかれと悟して去るが、その時までは
主人公は半ば天使の思想強制に疑問を持っていた。
しかし、運命で割かれていた元王妃と結婚し、王となり幸せになった
暁には、結局は天を祝福しておしまい。つまり、不運として呪ってた
運命が好転したので、天使に言われた通り状況を受け入れてしまった。
ここらへんにヴォルテールとやらの哲学理論があるんだろうな。
「この世は成り行き任せ」では、同じように天使が神の秩序の象徴として
出てきたけど、そこでの主役(人間)は、天使に人の不完全さを認めてほしい
といい天使はそれを受け入れていた。つまり人間の負の部分を認めることが焦点。
これは言ってみれば、完全なる善だけを求める思想なぞ戯言、という神の否定だ。
たびたび、それは神学批判や祭司批判などの描写でもわかる。
それがザンディードでは、上で書いたように天を祝福することで
神寄り的な、決定論的な運命を持ち上げる形で終わってしまっていた。
読み物としての物語的には、実にハッピーエンドで良識が勝った!
勧善懲悪!みたいになってるけど、まんま受け入れていいか疑問だ。
これは人間の都合のいい運命解釈を皮肉ってる可能性もある。
つまり、不幸なら運命を呪うし、幸福なら思考停止で運命と天を祝福する都合の良さ。
同時に、それが人の不完全さであり多様性であると言いたいのかもしれない。
人は一部を見て全体をあたかも捉えられたように勘違いする節がある、と
釘を指すような言葉も途中に出てくるし。
あと残り3編あって「カンディード」が最後だ。
全6編、作者の考え方の変遷がわかるように収録してるらしいので
たぶんこっからいろいろ変わっていくんだろう。



